乳歯に隙間が出来た! 子どもの歯ってどう生える?
からだの成長にともない、あごも成長します。すると、乳歯の歯間に隙間が出来てきます。
実はこの隙間には、お子さんのその後の歯並びや歯の健康にかかわる、重要な意味があるのです。
この隙間は乳歯列が育つ過程に特有なもので、総称して、「発育空隙」と呼ばれます。将来、永久歯が生えてくるための大切な隙間です。とくに、上あごの乳側切歯と乳犬歯の間の隙間、下あごの乳犬歯と第一乳臼歯の隙間は、霊長類(人間、サル、チンパンジー、ゴリラ)特有のもので、これらは「霊長空隙」と名付けられています。
乳歯の隙間は、一般的に乳歯が生えてくる初期には全体に大きく、1歳半頃に上あごの乳犬歯が生えると、乳側切歯とのあいだに次に生える乳臼歯に備えた隙間が出来ます。乳歯が奥歯まで生えそろって安定する3歳頃には、隙間は一時小さくなり、その後4歳頃からあごの成長とともに再び広がって、永久歯が生え変わる準備が進みます。とくに、上あごは、永久歯の前歯が生える1年ほど前から急激に成長し、横幅が広がります。スペースが確保され、永久歯列が並んでいきます。
また、この隙間は噛み合わせを調整する重要な役割も持っています。とくに、永久歯の生え変わりの時期の前後には、上下のあごがうまく噛み合うように、調整の役割も果たすのです。
上あごの成長は5~6歳頃になると、加速度的に進み、乳犬歯だけでなく、前歯のあたりでも同様に隙間が見られます、下あごも、上あごと同様、乳歯列から永久歯列へと大きく成長し生え変わっていきます。男の子は女の子よりも終始あごの幅が大きく成長します。
乳歯が生えそろったお口。
あごが成長するにつれて、歯間に隙間が出来てきます。
永久歯がきれいに生えるようスペースを確保するための大切な準備が進んでいます!