お茶と歯の健康
お茶にはフッ素だけでなく、「カテキン」と呼ばれるポリフェノールの一種も含まれており、じつにさまざまな健康効果が認められています。
むし歯予防効果もそのひとつですし、不快な口臭の改善をする効果もあります。
カテキンは直接においの成分と化学的に結合し、油脂などの酸化を抑えるはたらきも
します。
東北大学の研究(2021年)では、緑茶カテキン(EGCG)にはミュータンス菌などのむし歯菌の増殖を抑えるだけでなく、歯を溶かす酸の産生を抑制し、むし歯予防に効果があること報告されました。
さらにこの研究では、歯の表面にむし歯菌が付着することをカテキンが阻止し、
さらなるむし歯予防にもつながるとしています。
緑茶摂取と歯の数
東北大学の別の研究(2020年)では、65歳以上の高齢者24147人(平均年齢74.2歳)の
緑茶の摂取と歯の本数について調べました。その結果、緑茶を1日に4杯以上飲む人は、
そうでない人に比べて約1.6本多く歯が残っていました。
さらに1ヵ月に10人以上の知人、友人に会う人は、そうでない人に比べ、
約2.6本多く歯が残っていました。
日本では誰かと会うときに緑茶を飲む習慣があるため、それも関与していることが
示唆されました。
このように、お茶にはフッ素やカテキンといった有効な成分が含まれています。
ですので、古くから私たちの生活に根付いた食後にお茶を飲む習慣は、じつに理に
かなっているのです。有効成分をより活かすために、お茶を口に含んで数秒間してから飲み込む
「含み飲み」を毎日の生活に取り入れるとよいでしょう。