ホワイトニングには、大きくわけて2つの方法があります。ひとつは医院で施術を行うオフィスホワイトニング、もうひとつはこちらの指示のもとご自身で(自宅で)行うホームホワイトニングです。
この2つにはそれぞれに特徴があるので、どちらを選択すればいいか迷う人も多いでしょう。そこで、2つのホワイトニング方法の違いをさまざまな側面からご紹介します。
■ホワイトニングの種類
オフィスホワイトニングとは?
医院に来て頂き施術を行うホワイトニング方法です。歯の色素を分解する過酸化水素を主成分とするホワイトニング剤を歯に塗った後、強い光をあてて薬剤の作用を高め、ホワイトニングをしていきます。
ホームホワイトニングとは?
こちらの指示・管理のもとで、ご自身で(自宅で)行うホワイトニング方法です。まず歯型をとって、自分専用のマウスピースを作成します。そのマウスピースにホワイトニング剤を注入し、毎日一定時間装着することでホワイトニングをしていきます。使用するホワイトニング剤は過酸化尿素を主成分としており、自分でも扱いやすいものになっています。過酸化尿素は分解される過程で過酸化水素となるため、漂白成分はオフィスホワイトニングと同様です。
■2つのホワイトニングを徹底比較!
効果を実感できるまでにかかる時間
◆ オフィスホワイトニング:1回の処置である程度の変化を実感できる
◆ ホームホワイトニング:2〜4週間ほどで変化を実感できる
オフィスホワイトニングは医院による施術のため、ホームホワイトニングに比べて濃度の高いホワイトニング剤が使われています。さらに歯に薬剤を塗った後、薬剤の作用を高めるために光を照射するため、1回の処置で歯の色に変化を感じることができます。すぐに歯を白くしたい、毎日マウスピースを装着することは生活習慣上難しいというような人におすすめの方法です。
ホームホワイトニングは自分で扱いやすいよう濃度を低めた薬剤を使用するため、オフィスホワイトニングに比べて色の変化を実感するまでに時間を要します。しかしホワイトニング効果が徐々に進んでいくので、歯の色を自然に変化させていくことができます。
1回のホワイトニングにかかる時間
◆ オフィスホワイトニング:1回約1時間半~2時間程度
◆ ホームホワイトニング:毎日約2時間マウスピースを装着する
オフィスホワイトニングの施術時間は、平均して約1時間半~2時間程度です1回の施術でもある程度の色の変化を感じることができますが、1〜2週間間隔で数回通院することで、ホワイトニング効果をより感じることができます。
ホームホワイトニングは毎日2時間程度、マウスピースを装着する必要があります。受診する時間がなかなかとれない人は、ホームホワイトニングを選択すると無理なくホワイトニングをすることができますね。
ホワイトニング効果の目安
◆ オフィスホワイトニング:シェードガイド上、1回の施術で平均2〜3段階変化する
◆ ホームホワイトニング:シェードガイド上、2週間ほどのマウスピース装着で平均1〜2段階変化する
オフィスホワイトニングは、ホームホワイトニングに比べて濃度が高いホワイトニング剤を使い、さらに光を照射して薬剤の作用を高めるため、その分、色の変化も大きくなります。
ホームホワイトニングは、自分で扱いやすいよう濃度を低めたホワイトニング剤を使用するため、色の変化は緩やかです。
ここで注意すべきこととして、歯が白くなったという実感には個人差があるということです。そのため、ホワイトニング前の状態を写真に撮っておき、定期的に見比べることで、自分の歯がどれだけ白くなっているかを確認するとよいでしょう。
ホワイトニング効果の持続力
◆ オフィスホワイトニング:色戻りが早い
◆ ホームホワイトニング:色戻りが遅い
オフィスホワイトニングは短時間で効果が出るような施術方法のため、ホワイトニング剤が歯に深く浸透せず、色戻りを感じるまでの時間が短いとされています。
一方ホームホワイトニングは、じっくりと時間をかけて薬剤を浸透させていくため、オフィスホワイトニングに比べて色戻りまでの時間が長いようです。またホワイトニング剤を深く浸透させていけることから、色が変化しにくい歯にもある程度の効果が期待できます。
ホワイトニングにかかる費用
◆ オフィスホワイトニング:¥34,000
◆ ホームホワイトニング :¥18,000
最初に購入したホワイトニング剤がなくなった後もホワイトニングを続けたい場合には、追加で購入できます。
■2つを併用するデュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングとは
それぞれのメリット・デメリットを補うべく、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用して行う、デュアルホワイトニングという方法もあります。
これはまずオフィスホワイトニングを行った後、自宅でホームホワイトニングを行うというものです。1回のオフィスホワイトニングと、1〜2週間のホームホワイトニングを1クールとして、2クール繰り返すのが一般的ですが、求める白さに応じてさらに回数を重ねる場合もあります。
デュアルホワイトニングの効果
シェードガイド上、W3〜A1レベルまで変化させることができると言われています(日本人の平均的な歯の色はA3.5)
白さを実感するまでにかかる時間と持続力
個別にオフィスホワイトニングやホームホワイトニングを行うよりも早く、白さを実感できると言われています。またじっくりとホワイトニング剤を浸透させるホームホワイトニングも行うことから、色戻りを感じるまでの時間も長いようです。
デュアルホワイトニングにかかる費用
オフィスとホームを併用することから、セット料金を設定し、¥52,000のところ¥5,000引きの¥48,000とそれぞれを別個に行うよりも割安になります。
ホワイトニングに向かない人
●入れ歯や差し歯などの人工の歯の人
ホワイトニングは自分の歯で神経が生きていることが前提ですので、セラミックや入れ歯、差し歯などの人工の歯を白くすることはできません。
※ホワイトニング以外の方法で白くする方法があります。ご相談ください。
●知覚過敏、虫歯、歯周病の人
知覚過敏、虫歯、歯周病の人は、ホワイトニング治療をする上で痛みを伴うことがありますので、治療してから行います。
●14歳以下の人
歯の成長に影響する場合がありますので、14歳以下の方にはお勧めしていません。
●変色のきつい人
ホワイトニングはどんな歯の色でも白くするわけではありません。歯の色が濃い人よりも薄い人の方が効果が出やすいと言われており、あまりにも重度の変色歯の場合はホワイトニングの効果はあまり感じられません。
歯が形成される3~5歳の時にテトラサイクリンという抗生剤を服用したために歯が濃い色になってしまった人や、深い青みを帯びたダークグレーの歯、ブラウンの歯には、ホワイトニング効果は思ったほど得られません。何度か回数を重ねるとそれなりに白くなりますが、理想とする白い歯に近づけるのは困難と言えます。
●歯に亀裂の入っている人
ホワイトニング剤を塗ると亀裂箇所を強烈に刺激し、歯を損傷する直接原因となりかねません。このような場合はホワイトニングを慎重に行なったほうがいいでしょう。
ホワイトニングができない人
●歯の神経が死んでいる人
ホワイトニングはあくまで、生きている天然の歯に対して有効なものです。もし、神経が死んでいる場合はウォーキングブリーチという、歯の裏に穴をあけ、そこにホワイトニング剤を流し込むという方法を使いますが、他の神経が生きている歯と色調を合わせるのは難しいとされています。
●エナメル質形成不全、象牙質形成不全の人
歯の発達が十分でない人もホワイトニングには適さないと言われています。歯が十分に発達していない人がホワイトニングを行なうと、薬剤の影響で歯の神経である歯髄が痛みます。ご自身の歯が形成不全に当たるかどうか必ずご確認下さい。
●妊娠中の人
歯のホワイトニング治療とは言え薬剤を使用します。妊娠中の方がホワイトニング治療を行って問題が起きたという症例は見られませんが、まったくの安全であるとは言えません。そのため、妊娠中の方の治療はお断りしています。
■まとめ
オフィスホワイトニング、ホームホワイトニングには、効果や施術時間、費用などの面でさまざまな違いがあります。どれくらいの白さを求めるのか、どんな生活をしているかなどを含め、自分にあった最適な方法を選択できるよう、まずは気軽に相談して下さい。